WT-2000 Q&A

寿命について
Q 壊れることはありませんか?  (2004.9.6)(2008.6.18)(2014.10.20)
A 本機は発売して4年でまだ「壊れた」という事例はありませんので、電子機器としてのお話しになります。
  (更に4年経過していますが、故障の事例はありません)(2008.6.18)
  (更に5年経過してボリュームの摩耗が発生しました。 また、お客様の改造に起因する故障、
   お客様の取扱いに起因する故障(マイクコードの根本を頻繁に曲げていた)が発生しました)(2014.10.20)
  電子機器で一番壊れやすいのはスイッチやボリュームと言った可動部分です。
  本機で一番操作頻度の高いマイクの3つの操作ボタンの寿命は、部品メーカーの公表値で50万回ですので、
  その通りであればまず問題になることは無いと考えられます。
  可動部分以外では、電解コンデンサには寿命があります。時間の経過と共に容量が減ってきます。
  一般的な温度条件ではおよそ10年ぐらいと言われています。高温では寿命の低下が早まります。
  実際の電子機器ではコンデンサの使い方を工夫することで機器の寿命はもっと長いものも多いです。
  本機では消費電力が最大で6Wと少なく、放熱孔の空いたアルミケースを使っていますので、正常な使い方では
  高温で寿命が低下する心配はありません。また、回路的に容量が減っても問題が生じないように部品定数を選んでいます。
  そのようなわけで、「○○年持つ」というような明確な数字は示すことは出来ませんが、従来の電子機器と、同等以上と考えられます。
  また、将来「壊れるとしたらこの部分」と見込まれるスイッチ、ボリューム、電解コンデンサについては保守用に部品をストックしてあります。


価格について
Q 見積を頼んだらネットで公表している価格そのものでした。もっと引けませんか。
A 弊社の製品は他社のものと比べていただくとご理解いただけると思いますが、高性能、多機能です。
  実際に電子回路の規模も他社品の2倍近くあり、それだけ原価が高くなっています。
  しかし頒価は他社品よりも安くなっていますが、これはメーカー直売で営業・販売に経費をかけないことで成り立っています。
  ですから他社品と違い、始めから値引きの余裕は殆どありません。
  現状の価格は、弊社からお客様に働きかけることなく「買います」というメールをいただいて
  お買い上げ下さるという、最低の販売コストで済むことを前提に設定をした値段ですので、
  どうかこれ以上の値引きはご容赦下さい。

Q 高齢で新品を買っても元が取れそうにありません。中古品はありませんか?
A 申し訳ありません。弊社は新品しか扱っておりません。


測定できる時計の種類について
Q 時計の乗るところが一箇所しかありませんが、どんな時計でも測れるのですか?
A 確かに一箇所しかありませんが、ここに機械式時計用の刻音ピックアップと、アナログクオーツ用のピックアップコイル、デジタルクオーツ用の電界センサが集中して配置されていますので、通常の腕時計ならみんな測れます。

Q 機械式時計の歩度測定は振動数を合わせる必要があるのですか? 
A ゲートタイムを4秒の倍数に設定すれば、国内で実際に手に入る時計の殆ど(振動数が(0.5)1800の倍数になっている時計  (5,5.5,6,8,10)(18000,19800,21600,28800,36000)等はそのまま測れます。

Q トゥールビヨンは測れますか?
A 測れます。原理的に測れますし、実際にも確認して問題なく測れました。

Q セイコーのツインクオーツは測れますか?
A アナログクオーツの測定はステップモータの磁界を使って検出していますので原理的に測れないはずは無いのですが、
  実際にキングクオーツ9722で確認してみました。ゲートタイム10秒で普通に測れます。

Q ストップウオッチの測定は出来ますか?
A 本機は測定時に「マイク」と呼んでいるピックアップ兼操作部の上に時計を載せますが、ストップウオッチのサイズではそのままでは載りません。
  マイク上のフォークと呼んでいる部品を外すことでストップウオッチの計測は出来ます。フォークはネジで簡単に外せます。

Q クロック(目覚まし時計)には使えませんか?
A クオーツ式クロックの場合はムーブメントをマイクの近くに持っていくことで測定できます。
  頻繁に測定を行う場合には、\21,000でクロック用の外付けピックアップを取り付け出来るよう改造いたします。
  この場合小さなピックアップをムーブメントに近づけることで測定できます。

Q コーアクシャル(同軸)脱進機の時計は測定できますか?
A スウォッチ グループ ジャパン(株)さまのご協力でオメガブランドの時計で確認させていただきました。歩度、振り角、片振り、タイムグラフのメカ時計測定の全項目で測定できました。ただし、拘束角は30度前後ですので、振り角、片振り角の測定には拘束角を手動で設定する必要があります。測定は一台だけですが刻音波形を観察して、WT-2000の測定メカニズムで問題ないことを確認しました。コーアクシャルはA音が非常に小さいようですので、測定時は右のつまみを右に回し切ると良いです。


精度保証方法について
Q JJYを受信して信号源にすると社内のトレーサビリティーの体系に収まりません。
  固定周波数の信号源に変更することは出来ますか?

A 内部信号源をTCXOに変更することが可能です。販売価格は変更ありません。
  使用しているTCXOのメーカー公称値は、温度特性:±3ppm/℃(-20〜60℃)  経時変化特性:±1ppm/年
  手元でいくつか常温付近の温度特性を調べた限りでは±1ppm/℃(15〜35℃)程度には収まっています。
  校正をされる場合は、次項の周波数出力端子の追加をお薦めします。調整方法は添附します。
  源発振周波数のメインテナンスは、専門の校正業者に依頼下さい。業者の紹介は出来ます。
  弊社ではトレーサビリティー証明書類の発行は致しておりません。
  源発振周波数以外は経時変化をする要素はありません。

Q 通常、標準電波を受信しているため毎年の校正(点検は)必要ないかもしれませんが、内部の発振周波数を確認できる端子をもうける等の点検できるようにするための改造は出来るのでしょうか、その際は改造費とかはどのぐらいになるのでしょうか。?
A 発振周波数の確認用端子ですが、本体内部の基板上でよろしければ無料でお付けします。
  背面にBNC端子を設けることも出来ますが、この場合は+\20,000(税別)をお願いいたします。
  波形は矩形波で、出力インピーダンス・電圧は、1kΩ・5Vp-p程度、または50Ω100mVp-p程度のどちらかでお願いします。

Q 外部のセシウム、ルビジウム等の標準周波数を基準に測定することは出来ますか?
A 外部から10MHz(5MHz,1MHz)を取り入れて測定することが出来ます。
  10MHz(5MHz,1MHz)を分周して40KHzを作ってJJYに代わって基準にします。
  この場合は内部に基板を追加いたしますのでオプションで+\50,000(税別)にて承ります。


操作方法等について
Q 拘束角の設定は任意で入力するのでしょうか?古くて資料の無いようなムーブの歩度測定の際この機械で拘束角を判断できますか?
拘束角を正確に入力しないと正確な歩度測定は出来ませんよね。


A 拘束角は初期値52.0度。20.0〜99.9度の範囲を0.1度刻みで自由に設定できます。
  拘束角が分からなくても歩度測定は異なる刻音のA音同士を基準にするので測定結果には影響ありません。
  拘束角が問題になるのは振り角の測定です。刻音が同じだとすると、振り角の測定値は設定した拘束角にほぼ比例した値が表示されます。
  正確な拘束角を知るには、やはり資料を見るしか方法がないと思います。
  WT-2000の場合には片振りも角度で表示しますのでこの値にも影響はありますが、こちらは大した問題では無いでしょう。



プリンタとタイムグラフソフトの選択ついて
Q プリンタとタイムグラフソフトは共にタイムグラフの表示に使うとのことですが、
どちらを選ぶか迷っています。それぞれの長所、短所を説明してください。

A    ソフトの長所                    プリンタの短所
  ・ほぼリアルタイムで表示できる。    印刷された部分が外に送られて見えるまでに100振動分(10〜20秒)時間がかかる。
  ・歩度がスケールで読みとれる。     歩度が正確な数値では読めない(傾きで見当は付く)
  ・画面が大きい。              有効幅45ミリ
  ・データの保存が容易           感熱紙は劣化するので、長期保存はコピーを取る必要がある。

     ソフトの短所                    プリンタの長所
  ・パソコンの起動に時間がかかる。    電源を入れてすぐに使える
  ・パソコンは場所をとる。          場所をとらない

 パソコンをお持ちで、作業机の近くに置けるならソフトをお薦めします。

JJY電波受信、電波時計機能について
Q JJYの信号を使って精度を出しているとのことですが、WT-2000と電波時計との違いがどうも分かりません?
  分かりやすく説明してください。

A JJYの信号には、周波数の標準としての意味と、時刻の標準としての意味があります。
  電波時計のおかげで時刻の標準としての意味は広く知れ渡るようになりましたが、
  歴史的にはJJY等の標準電波は周波数標準として誕生し、時刻の信号はその後から加えるようになりました。
  周波数とは一秒間の振動数ですから、その振動数を数えることで正確な時間を作り出すことが出来ます。
  WT-2000ではPLLと呼ばれる技術で周波数の基準であるJJYの毎秒4万回または6万回の電気信号に歩調が
  ピッタリと合った毎秒1920万回の信号を作り出し、これを元にマイコンを働かせて歩度を測定しています。
  電波時計では内部の水晶振動子の信号を基準に時計を動かして、定期的にJJYで時刻の誤差を修正していますが、
  WT-2000では常時JJYを受信して作り出した正しい時間を基準に測定をしています。

Q 電波が受信できないときに問題になることは?
A 歩度測定の精度が低下することと、内蔵の電波時計の機能が使えなくなることです。電波が受信できないときの歩度の精度の保証値は3ppm以下。日差0.26秒以下です。歩度測定以外の測定機能やメカ時計の調整には全く影響ありません。

Q  電波時計が使えない場所で使えますか?
A 市販の電波時計の受信限界よりは弱い電波でも精度の良い歩度測定は出来ますが、電波の弱さの程度とアンテナの設置が出来るか否かで決まってきます。付属の室内アンテナを使用することで、関東地方ではこれまでのところビルの中でも受信できています。
 付属の室内アンテナを使ったときの結果として、これまでお買いあげいただいたお客様のお話では、福島局から約600kmの兵庫県の木造家屋では電波時計機能も使えています。約700kmの香川県のビルの中では電波時計機能は使えないとのことです。どちらの環境でもJJYによる歩度精度の確保は出来ています。
 九州のJJYの送信所に合わせて60kHz対応機を発売しています。関西以西の地域でも九州の送信所の開設で室内アンテナで実用的な受信が可能になってます。因みに九州から1000km離れた弊社でも常に歩度精度の確保はもちろんのこと、コンディションが良いと室内アンテナ無しでも電波時計機能も使えています。

Q 電波時計機能が働きませんが、歩度の測定精度は問題ないでしょうか?
A 電波時計機能の表示と、歩度の測定精度は無関係です。同期外れの警報ランプの点灯比率があまり多くないとき(30%以下)は歩度測定の精度は問題ありません。
 電波時計は標準電波(JJY)に乗せた時刻の信号を解読して利用しています。WT−2000は、電波時計の機能に関しては従来の電波時計と同じですが、歩度測定の精度の基準として利用しているのは標準電波そのものである搬送波です。人の話を聞くことにたとえれば、電波時計は話の内容を聞き取って時刻を表示しています。1分間で1セットの年月日時刻の情報を聞き取り、複数セットの内容が一致したときに時刻を表示しています。このため1分間のうちで1秒間でも聞き取れない時間があると時刻は表示されません。
 一方、歩度測定の精度を出すためには、声の高さに相当する周波数を基準にしています。このため一時的に聞き取れない瞬間があってもその前後の情報で修正をすることが出来ますので、弱い信号でも精度を維持することが出来ます。

Q 買ってから電波が受信できなかったらどうしますか?
A これまでのところ、電波時計機能が使えないお客様はある程度いらっしゃいますが、
  地下室や窓のないビルを除いては精度保証のための受信が出来ないお客様はいらっしゃいませんが、
  ご希望のお客さまには内部信号源をTCXOに変更致します。精度保証方法についてを参照下さい

Q 大阪で使いたいのですが、福島局と九州局とどちらも使えますか?
A WT-2000はどちらかの局をお選びいただくことになります。特に御指定が無ければ弊社にて信号が強いと思われる局を推定して品物をお納めいたします。2つの局の電波がほぼ同レベルになる関西地方では設置場所の方角の開けた方をお選びいただくのが良いと思われます。

Q 広島に引っ越すので現在使ってる福島局の機械を九州局用に変更できますか?
A 有償の改造をたまわります。改造費は\21,000になります。製造元に連絡の上お送り下さい。

Q 普段は点かないは赤ランプが今日はチカチカしています。故障ではないですか?
A JJYは落雷やメンテナンスで電波が止まることがあります。そのときには赤ランプが点滅します。電波の送信状況はhttp://jjy.nict.go.jp/でご確認下さい。電波が止まっていても3ppm(日差0.26秒)の精度はありますので、高精度な歩度の調整以外には問題なく使えます。

その他
Q PSEマークは付いていますか?
A マークは付いていませんがWT−2000は測定器ですので、少なくとも現時点では電気用品安全法の規制対象品目ではありません。従って中古になっても売買が規制されることはありません。

Q 技術協力の富山峻一郎氏とはどのような経歴の方ですか?
A 戦後C社を振り出しに時計調整の世界に入ってその後独立。メカ時計はもちろん、早くからクオーツの調整法まで確立して技術指導を行ってきました。その卓越した調整技能と時計に関する見識は業界では知る人ぞ知る存在で、特に国産メーカーに厚い人脈をお持ちです。昭和40年代から東京ウオッチサービスセンターを経営。近年ではセイコー時計資料館名誉館長の久保田浩司氏と共に日本時計調整学院を設立。メーカーの調整技術者の指導に当たっています。ここではメカ時計6姿勢全ての日差を1秒内外に収める驚異的技能を伝授しています。WT−2000はそんな富山氏の調整ノウハウを随所に盛り込みました。一例を挙げれば電流による歩度測定は氏のアイデアをいただいています。


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